この記事では、「やさしい日本語」で文章を書くためのガイドライン(手引き)の 1 つ「動詞文を使う」を解説します。
ところどころにある「語彙と文法を確認する」をクリックすると、直近の書き直しで使った語彙と文法を確認することができます。
ガイドラインの概要については、次の記事を参照してください。
原則
「やさしい日本語」では、動詞の名詞化を避けるように心がけます。その代わりに動詞文を使います。動詞文を使うことで、より簡潔な文章を書くことができます。
具体例(その 1)
書き直し前 この 紙に 名前を 記入して ください。
書き直し後 この 紙に 名前を 書いて ください。
「記入」は名詞です。動詞の「書く」に言い換えます。
語彙
つぎの語彙は、日本語能力試験(JLPT)の N5 レベルです。問題なく使うことができます。
- この
- 紙
- 名前
- 書く
次の語彙は N3 レベルです。できれば注釈を入れるか、他の語彙で言い換えます。
- 記入
文法
次の文法は N5 レベルです。問題なく使うことができます。
- 〜てください(指示)
具体例(その 2)
書き直し前 受付の 時間は 午後 2 時に 変更になりました。
書き直し後 受付の 時間は 午後 2 時に 変わりました。
「変更」は名詞です。動詞「変わる」に言い換えます。
語彙
次の語彙は N5 レベルです。問題なく使うことができます。
- 時間
- 午後
- 時(時刻)
次の語彙は N4 レベルです。問題なく使うことができます。
- 受付
- 変わる
次の語彙は N3 レベルです。できれば注釈を入れるか、他の語彙で言い換えます。
- 変更
文法
次の文法は N5 レベルです。問題なく使うことができます。
- 〜(に)なる
具体例(その 3)
書き直し前 新型コロナ ウイルスに 気をつけることは たいせつです。
書き直し後 新型コロナ ウイルスに 気をつけて ください。
「気をつけること」は動詞「気をつける」に「こと」を付けて名詞化したものです。「気をつける」を動詞のまま使ったほうが意味がわかりやすいです。
語彙
次の語彙は N5 レベルです。問題なく使うことができます。
- 気をつける
- 大切
次の語彙は レベル外です。固有名詞や常とう語の場合のみ使います。
- 新型コロナ ウイルス
文法
次の文法は N5 レベルです。問題なく使うことができます。
- 〜は〜です
- 〜てください
次の文法は N4 レベルです。問題なく使うことができます。しかし、今回は使いません。
- 〜こと