この記事では、「やさしい日本語」で文章を書くためのガイドライン(手引き)の 1 つ「オノマトペ(擬態語と擬音語)を使わない」を解説します。
ところどころにある「語彙と文法を確認する」をクリックすると、直近の書き直しで使った語彙と文法を確認することができます。
ガイドラインの概要については、次の記事を参照してください。
原則
「やさしい日本語」では、オノマトペを使わないように心がけます。オノマトペとは、擬態語や擬音語のことです。
例えば、「ふらふら歩く」の「ふらふら」は擬態語です。「雨がザーザー降る」の「ザーザー」は擬音語です。
日本語を母語としない人にとって、オノマトペは難しい表現です。オノマトペは使わない、もしくは分かりやすい表現に言い換えます。
具体例(その 1)
書き直し前 雷が ゴロゴロ 鳴りました。
書き直し後 雷が 鳴りました。
この例文の場合、擬態語「ゴロゴロ」がなくても意味があまり変わりません。削除します。
語彙
次の語彙は、日本語能力試験(JLPT)の N4 レベルです。問題なく使うことができます。
- 鳴る
次の語彙は N3 レベルです。できれば注釈を入れるか、他の語彙で言い換えます。
- 雷
文法
次の文法は N5 レベルです。問題なく使うことができます。
- 〜が
具体例(その 2)
書き直し前 雨が ザーザー 降っています。
書き直し後 雨が たくさん 降っています。
この例文の場合、擬態語「ザーザー」は雨の量を表しています。N5 レベルの語彙「たくさん」に書き直します。ただし、「たくさん」は加減をあいまいに表す表現です。使う場合は注意します。
語彙
次の語彙は N5 レベルです。問題なく使うことができます。
- 雨
- たくさん
- 降る
文法
次の文法は N5 レベルです。問題なく使うことができます。
- 〜が
具体例(その 3)
書き直し前 歯が ずきずき 痛いです。
書き直し後 歯が 痛いです。
書き直し後 歯が とても 痛いです。
この例文の場合、擬態語「ずきずき」は痛みの程度を表しています。削除する、もしくは N5 レベルの語彙「とても」などに書き直します。
語彙
次の語彙は N5 レベルです。問題なく使うことができます。
- 歯
- とても
- 痛い
文法
次の文法は N5 レベルです。問題なく使うことができます。
- 〜が